【新唐人2017年4月1日】
中国政府はフェイスブックやツイッター、グーグルなどの多くの海外サイトへのアクセスを規制していますが、規制をさらに強化しようとしています。直轄市である重慶市はこのほど、政府が設置したネット規制を突破して勝手に海外サイトへアクセスした者を処罰する新しい規則を打ち出しました。
重慶市公安局は3月27日、改訂した「ネット監管行政処罰裁量基準」を発表しました。新基準では、国内のインターネットを介さずに海外ネットにアクセスできる違法なソフトを開設したり利用した場合、許可なくインターネット事業に従事した場合、許可なく海外ネットにアクセスするなどのネット規制突破行為を行った場合、刑事責任を追及され罰せられるとする新しい規定が盛り込まれました。
新基準は、営利目的ではなく且つ初めてこうした行為を行った場合はインターネットを停止して警告を与えるとし、営利目的であり場合は所得を没収し且つ5千元から1万5千元までの罰金が科せられると定めています。
新基準の発表は注目を集めています。
全球民主中国陣線主席 盛雪氏:「中国政府は自国民が真実の情報にアクセスができないようネット規制を行っています。このこと自体が中国の法律を含め、ふつうの国の法律に背く行為です。中国の憲法も情報の自由が保障されることを明記しています。今回のような条例が発せられた法的根拠について、報道は明らかにしていません。」
中国問題研究家 張健氏:「ネット規制を突破してアクセスした海外サイトが民主主義や自由主義を発揚するサイトとは限らず、ビジネスの上で必要な場合もあります。そうした行為も犯罪と言えるのか。たとえば重慶市の海外機関がネット規制を超えて本国のサイトにアクセスすることも犯罪になるのではないか。新華社は日々ネット規制を突破して、ユーチューブやフェイスブックにニュースを配信しているが、それも犯罪ではないのか。」
報道によると、今回改訂されたのは重慶市公安局が2011年7月に発布した「重慶市公安機関インターネット監管行政処罰裁量基準」で、改訂を経た後昨年7月から実施が始まり、2021年まで有効です。それが3月27日になってやっとその細部が公表されたのでした。
『ボイス・オブ・アメリカ』は、同基準の策定はまさにブラックボックスの中で行われ、国民は27日までこの基準が存在することすら知らなかったと報じました。
重慶市当局は、この罰則は個人の商業目的でネット規制を突破した者を対象としたものと主張していますが、フランス通信社はアムネスティ・インターナショナルの研究員の話として、この規定は曖昧なもので、いかなる企業や個人にも適用される可能性があると報じています。
香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』は、重慶市が2011年に発布した類似の規定では、単にプロバイダーを罰し、個人ユーザーは罰しないと規定していたが、新基準では個人ユーザーにまで罰則対象を広げていると指摘しています。
中国問題研究家の張健氏は、ネット規制の突破を処罰の対象にすることは、深刻な人権侵害であると指摘しています。今回まず試しに重慶市で新基準を発布し、もしも成果があれば全国で実施する可能性が高いと言います。
中国問題研究家 張健氏:「海外サイトを閲覧した場合、政府はその情報を掌握することでしょう。これまでは小規模な監視を行ってきましたが、法律による制裁を科すまでに、情報封鎖を強化しています。」
張氏は海外の人権団体に対し、現地の中国大使館に抗議し、中国のネットユーザーがインターネットを自由に利用できる権利を有すことができるよう国連に訴えてほしいと呼びかけています。
フリーダム・ハウスは2015年に行った調査で、65カ国のうちネット規制政策が最も厳しいのは中国であると指摘しています。今年1月には中国工業情報化部がVPN(仮想プライベートネットワーク)を許可なく開設あるいは利用することを禁じました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/30/a1318060.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)